診察1
僕は、その瞬間全てを悟った。斎藤さんが忙しそうだったなんて嘘だ。彼女が1人でやって来たのも、診療所の中をソワソワと窺い、辺りに誰も居ないのを確認するように入ってきたのも、父の問診にすぐに答えられなかったのも、全ては彼女の身に起きている症状のせいだったのだ。
父も彼女が1人で来た理由を察したみたいだった。まあ、僕だって息子が腫れたりしたら、いくら医者とはいえ父には見せたくない。そんな事を話すのすら嫌だ。彼女は自分の身に起きている事を誰にも言えずに、仕方なく1人でここに来たんだろう。
「あそこ?腫れてるの?それとも痒い?」
「あ、そういうのはありません・・・ただ、少し赤くなったまま戻らなくて・・・」
「気づいたのはいつ?」
「昨日の夜・・・」
「ふーん・・・」
父は、机の上のノートに何やら書き留めている。僕は、淡い期待に胸を膨らませながら、彼女の症状故に父が診察の手伝いをさせないのではないかという不安も感じていた。
「とにかく診てみましょうか。下を脱いで・・・ああ、ちょっと待って」
父はそう言って恵梨奈ちゃんの動きを止めると、僕に休診の札を掛けてくるように言った。僕は、はやる気持ちを抑えるようにわざとゆっくり歩いて入り口まで戻ると、本日休診と書かれた札を掛けた。
「途中で人が来たら大変だからね。診察が終わるまで閉めておこうね」
僕が戻って来るのを待って父が言った。恵梨奈ちゃんはコクリと頷いた。そして、カバンを床に置いて立ち上がると、チェックのプリーツスカートに手を入れてパンティを下ろした。さすがに覚悟していたのか、ほとんど躊躇する素振りはなかった。丸まって紐のようになったパンティが、膝と膝の間にピンと張っている。
「全部脱いで。スカートも」
「え・・・?は、はい」
少し驚いたような返事をしたものの、恵梨奈ちゃんは素直にパンティを足首から抜くと、それを右手に握ったままスカートのホックに手を掛けた。と、父が口を開く。
「ちょっと下着を見せてくれるかな?オリモノは無い?」
恵梨奈ちゃんの手がぴたりと止まった。そして、おずおずと右手に握ったパンティを父に差し出した。父は、パンティを両手で広げると、クロッチ部分を蛍光灯の光に透かせるようにしたり、間近でじっくりと見たりした。その間、恵梨奈ちゃんは硬直したようにピクリとも動かなかった。
「うん、大丈夫だね。スカートを脱いだら、その衝立の裏のカゴ───あ、いや、彼に渡して」
そう言って、父は僕を手で指した。恵梨奈ちゃんは、その白衣とマスクで覆われた男がクラスメートだとはつゆ知らず、小さな顔を動かしてコクリと頷いた。
父からパンティを受け取ると、彼女が再びスカートを下ろしにかかる。彼女の後姿は教室で嫌と言うほど眺めたはずなのに、パンティを穿いていないというだけで、今見ているそれは全く別のものとして僕の目に映っていた。白い靴下を履いた細い足から視線を上へと移動させる。膝の裏が見えるか見えないかというところでチェックのスカートに覆い隠されたが、そこをさらに上に辿れば剥き出しになった彼女のアソコがあるのだと思うと、ついフラフラと顔を近づけそうになる。
ホックを外した後、一瞬の間があってからスカートを降ろす。真っ白なお尻が眩しかった。初めて見た同級生の女の子のお尻、そのあまりの綺麗さに僕は目を見張った。ふっくらとした丸みのある尻たぶ、スッと真っ直ぐに降りる割れ目、それが下に行くと少し広がり、お尻の丸みに吸収される。同時にその谷底は股間に向かって鋭く落ち込み、ぴったりと閉じられた太腿との間に魅惑の暗がりを作り出していた。
右足、そして左足と順番にスカートから抜いていく。手に持ったパンティを織り込むようにスカートを畳むと、恵梨奈ちゃんは、お尻を隠すように後ろで手を組んだ。
「スカートを渡して、ここに立って」
父に言われ、彼女はしぶしぶこちらを向いてスカートを手渡してくれた。お願いしますというように、ペコリと頭を下げて───
「はい、少し足を開いて」
衝立の陰で父の声を聞きながら、僕はスカートの間から取り出した彼女のパンティを手に取った。それを開いてクロッチ部分を凝視する。汗をかいたのか全体に少し湿っていたけど、特にシミなどはなかった。あまり時間を掛けるわけにはいかない。僕は、パンティを鼻に持っていって匂いを嗅いだ。男の汗臭さとは違う、どちらかというといい匂いがした。それから少し舌を出して彼女のアソコを覆っていたと思われる部分を舐めた。期待したような味はしなかったけど、唾液のシミが広がるのを見て、慌ててパンティをスカートの間に仕舞った。
「う~ん、少し炎症があるかな・・・」
衝立の陰から出ると、夏服のブラウスとソックスだけを身にまとった恵梨奈ちゃんが、足を肩幅に開いて立っていた。その股間を間近から父が凝視している。後ろ手に組んだ手の隙間から、白いお尻が見えた。父はちらっと顔を上げて僕を見ると、こっちに来いとでもいうように目配せした。
僕は、父の傍に行くと彼女の方に視線を移動させた。右斜め前に、同級生の裸の下半身が見えた。制服のブラウスを着ているせいでお臍は見えなかったけど、中学3年生の割には薄いと思われる恥毛と少し上付きのスリットが目に入って、僕は目を輝かせた。彼女の方はというと、綺麗な顔を真っ赤に染めて目を伏せている。その唇は、微かに震えているように見えた。
「はい、向こうを向いて椅子に手を着いて」
恵梨奈ちゃんは、少しスローな動きで回れ右をすると、さっきまで座っていた椅子に手を着いた。
「足を少し開いて、顔を上げて」
そう言ってから、父は僕に手招きをした。僕は、女の子の裸に興奮しているのを悟られるのが恥ずかしくて、極力恵梨奈ちゃんには興味を示していない風に装いながら父の傍に立った。父は、椅子を少し動かして場所を空けると、「見ろ」というように彼女のお尻を指差した。
スラリと伸びた白い脚。膝のところで一旦細くなった脚が、太腿に向かってなだらかに太くなり、ふっくらとしたお尻の丸みに繋がる。体験入学の初日に先生から紹介された時には、同じ中学3年生とは思えないほどの衝撃を受けた。その彼女が、僕の目の前にお尻を突き出している。体験入学初日の夜、密かに想像を巡らせていたとおりの白くて柔らかそうなお尻を───
「あー、お尻にも炎症があるねぇ」
「は、はい」
「ちょっと自分で開いてもらえるかな」
「え・・・あ、はい」
父と彼女の間で言葉が交わされる。彼女のお尻に見とれていた僕は、びっくりして父の方を見た。けれどもすぐに視線を戻して、彼女が自らの手でお尻の割れ目を開くのを固唾を飲んで見守った。
父に言われたとおりに腰を折って顔を上げていた彼女は、髪を耳に掛けるようにかきあげる仕草を見せた。ちらりと見えた彼女の横顔は本当に真っ赤で、彼女がどれだけ恥ずかしい思いでいるのかを物語っていた。上半身の重さを支えていた両手を椅子から離したからなのか、少し苦しそうに腰を曲げる。お尻に添えられた彼女の手は爪まで手入れが行き届いていて、テレビのCMに出てくる手みたいだった。そして彼女は、お肉を何度か手の平で押さえ直すようにして、お尻の割れ目を開いた。
暗かった谷底に光が差し込み、恵梨奈ちゃんの小さな排泄穴が少し横に伸びた状態でその姿を現した。真っ白な尻肉が、穴の周辺だけ少し放射状に変色している。僕は、その小さな窄まりを食い入るように見つめた。女の子のお尻の穴を見たのは、その時が初めてだった。
「触りますよ」
父の声が聞こえた。気づいた時には、既に父の指が彼女の谷底に侵入していた。
父の太い指が、彼女の華奢な手指によって開かれた割れ目の奥をグッ、グッと押した。お尻の穴の少し上、少し下というように、わざとそこを避けているように見えた。
「痛かったら言ってください」
「はィッ」
恵梨奈ちゃんは、返事をしようとして途中から引きつったような声をあげた。父の指がどこを押したのか、見なくてもわかる。少し変色した谷間の壁、放射状に広がる皺の中心が、父の指によって隠されていた。
「痛いですか?」
「いえ・・・大丈夫です」
恵梨奈ちゃんは、健気に返事をした。お尻の穴を触られてこらえ切れずに声をあげた彼女に、僕は興奮を覚えずにはいられなかった。そして、父に対して───あるいは医者という人種に対してかもしれない───羨ましいという思いを抱いた。