証明4
(あと確かめていないのは・・・)
田原は、先ほど由紀に尋ねた質問について思い返してみた。少しの間思いを巡らせた後、口許が緩む。
「とりあえず、あと確かめなきゃいけないのはさぁ」
不良たちの攻撃が止んだと思ったのも束の間、この悪夢がまだ終わっていないことを告げられる。
「お尻の穴に指が1本入るってことと───」
言ってからわざと間を置く。
「由紀ちゃんが処女だってことだよね」
微かではあったが、自分の言葉に由紀がビクリと反応するのを田原は見逃さない。
処女を奪われる、あるいは、処女であることを確認される。すなわちそれは、自身の大事な場所に触れられ、さらにはそこが傷付けられてしまうかもしれないということである。それも男たちが愉しむためという理不尽極まりない理由で。
由紀が感じた恐怖、嫌悪を田原も感じ取っていた。そしてニヤリと笑う。恐怖、嫌悪を感じながら抵抗することもできず、ただ耐えることしかできない。獲物はそうでなければ面白くないのだ。
田原が目配せすると、長嶺が由紀の目隠しを外した。不良たちの意図を図りかねるように、戸惑いながら由紀が瞼を開く。蛍光灯の明るさに慣れると同時に、目の前に田原の手があることに気が付いた。
人差し指を透明なビニールカバーが覆っている───少なくとも由紀にはそう見えた。と、田原がまるで具合を確かめるかのようにその指をクイクイと動かす。直後、ニヤリと笑って視線を由紀の顔に移した。目が合った。
刹那、由紀はハッとして身体を強張らせたが、遅かった。後ろに居る不良───目隠しを外されたことで、それが相川だとわかる───に両腕をガッチリと固定される。ばたつかせる間も無く、両足も長嶺と中村に捕まえられた。
田原は由紀の正面に陣取ると、怯えた瞳で見詰める由紀にもう一度見せ付けてから、ゆっくりと指を股間に近づけていった。
これ見よがしにゆっくりと近づいてくる田原の指。目隠しを外された由紀には、その様子がハッキリと見えてしまう。近づいてくる指から本能的に逃れようとするが、男3人に押さえ込まれては動けるはずもない。
体力の消耗からか緊張からか、白いお腹がふいごのように上下する。はぁはぁという荒い息遣いが聞こえた。抵抗の意思をアピールするかのように内腿に筋が浮いている。少しでも田原の手から逃れようと腰を動かすたびに、マットと擦れたお尻がクニクニとその形を歪めた。由紀が指の接近を嫌がるほど田原の興奮は昂ぶっていく。
「ケツ開け」
声と同時に長嶺と中村に尻たぶを掴まれたかと思うと、そのまま力一杯左右に引っ張られた。
「いやーッ!」
由紀の声に背中を押されるように、2人がさらに過激になる。一旦掴んだ尻肉を放すと、より尻穴に近いところまで手を入れ、そこから一気に開いた。普段光が当たることの無い小さな窄まりが、不当な力によって僅かに開いた形でその姿を現した。
「いやッいやッ!アアーッ!」
懸命に抵抗しようとするが、3人の男に押さえられ四肢の自由を奪われてはどうすることもできない。由紀はただ首を振り、身をよじることしかできなかった。
ヒタリ
大声を上げていた由紀が息を飲む。ヒッという引きつった悲鳴が聞こえた気がした。
(そこっおしりの・・・!)
先ほど田原が口にした言葉。お尻の穴に指が1本入る───由紀は下腹に力を入れ、何とかそこを閉じようとする。懸命に力を入れて穴を閉じるしかいやらしい指の侵入を防ぐ術は残されていないのだ。
そんな由紀の様子に気付いた田原は、わざと指を少し離した。左右に引き伸ばされて僅かに開いた小穴が、きゅっと窄まる。ゴクリと唾を飲んで再び卑猥な表情を浮かべると、きつく閉じた小穴の入り口を掻いた。
「くッ・・・」
微かに声が漏れる。田原の指は、懸命に侵入を拒もうとするそこを嘲笑うかのようにきつく閉じた入り口を掻き、少しでも緩むとその隙を見逃さず先端を───ほんの僅かではあったが───侵入させてきた。
嬲り者にして楽しんでいる───薄々そうだとわかっていても、由紀に選択肢はない。肛門に指を入れられるなど絶対に嫌だった。
そんな一進一退の攻防が幾度繰り返されただろうか。由紀には既に疲れが見えていた。田原の指だけでなく、不良たちの手からも何とか逃れようと頑張っていた彼女がそうなるのは当然だった。勝ち目の無い4対1の戦いで体力を消耗し、いくらか反応が鈍くなった頃だった。
「やっ、あっ・・・あ、アアアーッ!」
突然、収縮する括約筋をものともせず、田原の指が根元まで挿入された。
「あっ・・・は・・・ッ」
体内に感じる異物感に息が詰まる。そこを覗き込もうとする不良たちに構う余裕は無い。由紀の肛門は、周囲を巻き込んで陥没するように指を咥え込んでいた。
「───ホントに1本入ったねぇ」
由紀の顔と肛門にかわるがわる視線を送りながら田原が言った。再び口許を緩めると、左手をマットに着いて顔をぐっと由紀に近づける。田原の顔がほんの鼻先に近づき、由紀は思わず顔を背けた。
「おい、誰がそっち向いていいっつった?」
そう言って田原は、親指を由紀の股間にあてて力を込めた。
「あいぃッ」
挿入こそされていないが、デリケートな部分に爪を突き立てられ、思わず声が漏れる。仕方なく田原の方を向いた。息がかかるほどの距離にある田原の顔。由紀が目を伏せる。
「ちゃんと眼を見るんだよ」
そう言って再び親指に力を込める。由紀は、跳ねるように顔を上げた。田原と目が合った。
田原は、由紀と視線を合わせたままゆっくりと右手を動かした。左回りに半回転させてから、反対の右回り、再び正面。由紀は視線を逸らせない。田原は表情こそ笑って───心底いやらしい笑みではあったが───いたが、その眼には有無を言わせぬ力があった。「どうだ?」と言わんばかりのその視線は、肛門を弄ばれる少女の僅かな表情の変化も見逃すまいと由紀の顔に絡みつく。
再び左回りに半回転、そして右回り。田原は、由紀の表情にさほど変化が見られないことに不満を感じたが、そんな素振りは見せない。笑みを浮かべて由紀の顔を視界に捉えたまま、今度はゆっくりと指を抜きにかかる。第二関節、そして第一関節───直後、再び一気に指を根元まで挿し込んだ。
「はうッ」
由紀の可愛らしい顔が痛みと屈辱に歪む。田原の表情が満足げな笑みに変わった。
「はうッ、なんて言っちゃって、そんなに気持ちよかったの?」
「はうッ、だってよ。アッハハ」
由紀の声が合図であったかのように、不良たちの口から下卑た笑いが漏れた。
「回すより出し入れした方がいいんだ?由紀ちゃんは」
「ピストン運動ってやつ?」
にやけた顔で自分を見詰める不良たちが、嫌がる様子を楽しんでいるのは由紀にもわかっていた。だからできるだけ表情には出すまいとしていた。だが、乱暴に指を出し入れされた痛みに思わず声が漏れてしまったのだ。
「うッ」
再び押し殺した声が漏れる。また指を出し入れされたのだ。指と腕を少し動かすだけ、そして何より楽しんでやっている田原と違い、由紀は抵抗する術を奪われ自らの敏感な排泄器官で全てを受け止めなければならない。痛みと恥ずかしさで全身に汗が噴き出す。
先端だけが僅かに入った状態で、田原が秒読みを始めた。
「5・・・4・・・3・・・」
ゼロになったら一気に挿入しようというのだ。それは由紀にもわかった。無駄だと頭ではわかっていても、恐怖から「やめて」と言わんばかりに首を振る。無情にもゼロという声が響いた。
「ぐぅッ!」
由紀は歯を食いしばる。痛い。屈辱とか気持ち悪いとか以前に、最初に感じたのはそれだった。そしてまた秒読みが始まる。
「5・・・4・・・3・・・」
周りの不良たちも声を合わせて秒を読んでいる。それが由紀の逃げ場の無い閉塞感、孤立感を増大させていく。由紀は涙の滲んだ瞳で田原を見詰め、首を振ることしかできない。
「ゼロ!」
「アアーッ!」
挿入と同時に由紀が全身を強張らせる。内股に筋を浮き上がらせ、不自由な上体をのけ反らせた。急激な挿入の後、ゆっくりと指が抜かれ始める。つられるように盛り上がってくる肛門を見て田原が口を開いた。
「おい、見ろ見ろ」
田原はそう言って、指と共に変形する肛門を横にいる2人に見せつけた。挿入時の異様な雰囲気ばかりに気を取られていた2人も、まるで生きているかのように様々な形を見せる小孔に興味を持った。
「おい、クソする時みたいに気張ってみろ」
由紀は反応を示さない。いや、聞こえてはいるのだが、たとえ実際に出ないとしても、男たちの前でウンチをする動作を見せるなど出来るはずも無い。だが、田原に爪を突き立てられ、結局言うことをきく羽目になる。
「オラ、せーので気張れよ・・・せーのっ!」
由紀は、疲れている中懸命に下腹に力を入れた。同時にゆっくりと指が抜かれ始める。盛り上がる肛門。田原は、指が押し出される感覚を覚えた。
「由紀ちゃん、毎朝こんな風にウンチしてるんだ」
「由紀ちゃんがウンチする時の肛門、よーく見えるよ」
2人が調子良く言う。そして、充分に指が抜け、僅かに先端を残すのみとなったところで、また秒読みが始まった。
由紀は、これ見よがしな秒読みと共に無理矢理肛門に指を突き立てられた。挿入のタイミングを教え、由紀の恐怖を煽る秒読み。挿入と同時にあがる歓声。その後に待つ「排泄」では、まるで排便をしているかのように揶揄され、ちゃんと気張っていないと因縁をつけられては乳首や大陰唇をつねられた。その度に由紀は苦痛に顔を歪め、一方で田原は由紀の表情の変化を楽しんだ。そして気が遠くなるような時間が過ぎた。