証明3

「剥いてみてよ」

「え・・・」

何も言わないとやる事がエスカレートしていくと思い由紀は声を発した。だが、曖昧な返事は一度では理解しないという印象を与え、結果として田原をイラつかせた。

「クリトリスは皮を被ってるんでしょ?それを剥けって言ってんの」

田原の声のトーンが変わった気がして、由紀は言葉を返せない。

「いつも自分で弄ってんだろ?同じようにやればいいんだよ」

背中にへばり付いた男が耳元で言った。謂れの無い中傷にかぁっと身体が熱くなり、口惜しさが込み上げてくる。自分はそんなはしたない女の子じゃないと言いたかった。その言葉が相川の精一杯の背伸びだということは、由紀にはわからない。

自分でクリトリス包皮を剥いたことなど無い由紀は、見よう見真似、というより感覚だけを頼りに指を動かした。人差し指の先がクリトリスに触れている。まだ包皮は剥けていないはずだ。このまま下から上に押し撫でるようにすればいいはず───

ヌリッ

皮膚がずれるような感覚。視界を塞がれ敏感になった聴覚が男の足音を捉える。田原が近づいてきたのだと由紀は思った。

田原は、由紀の正面で床に膝立ちになりマットに肘を着いた。視界の真中に開かれた由紀の秘所を捉える。左右から加えられた力で割れ目がイチヂクのような形に広がり、その頂点に由紀の指が添えられている。

由紀自身は、懸命に自らの包皮を剥いたつもりだったが、実際のところ、包皮は剥けていなかった。

「クリトリスって敏感なんでしょ?由紀ちゃんもそうだってさっき言ってたねぇ。触ったらどんな感じなのかな?」

目隠しに覆われた由紀の顔が強張る。その表情が変わったのは傍目にも明らかだった。

「そのまましっかり押さえてなよ・・・指を離したら───」

その先はあえて言葉にしない。そうやって由紀の恐怖心を煽っているのだ。

「お、お願いします・・・」

「え?触って欲しいの?じゃ、そうさせてもらおうかな」

「ち、違います!」

「おっと、動いたらアソコにコンパスの針が刺さっちゃうよ?」

由紀の否定を無視して田原が言った。筆箱に入れていたコンパスが由紀の脳裏に浮かぶ。二股に分かれたコンパスの脚の先には、鋭い針が付いている。

「ほーら、動くと危ないよ?」

繰り返される田原の言葉で由紀は動けなくなってしまう。自らの策略が成功したことに満足げな表情を浮かべながら、田原はイチヂク型に開かれた割れ目の頂点に指を伸ばす。未熟な突起は未だその姿を充分には見せていない。

(少し刺激が必要だな・・・)

左手であらかじめポケットに入れていたコンパスを取り出し、由紀の股間に近づける。右手の人差し指で包皮の上から小さな突起を捕捉すると、ゆっくり押し込むように揉んだ。

「くっ・・・」

由紀の指がピクリと動いたのを田原は見逃さない。すかさずコンパスの針をチクリとやった。

「いッ!」

突如指に痛みを感じ、由紀が声をあげた。コンパスの針だということはすぐにわかった。

「ほら、動くと危ないって言ってるじゃん」

口で言うだけではなく、実力行使で由紀の抵抗を封じていく。

田原は、ペロリと舐めた人差し指で再び突起に触れた。円を描くようにじっくりと揉む。敏感な突起を弄られ、由紀の身体が強張った。同時に、刺激を受けたそこが内側から膨らんでくるのを感じる。いくら意識しないようにしても、それ自身が別の生き物であるかのように勝手に反応してしまうのだ。

田原は、一旦指を離し状態を確認する。先程より膨らみを増した突起が、少しその姿を現した。剥き出しの部分に軽く指を触れ、由紀の内股に筋が浮くのを見て口許を歪めると、田原は膨らんだ突起をかすめるように指で弾いた。

「あぃッ」

反射的に上体を起こそうとしたが、捻りあげられた左手の痛みに身体をよじる。

「さっきから気になってるんだけどさ、全然剥けてないんだよね。それでちゃんと剥いてるつもりなの?」

由紀は、何も答えらない。もちろん、最初から包皮を剥いたつもりだった。敏感な感覚も剥き出し故だと思っていた。単なる言い掛かりかもしれないとも考えたが、反論は出来なかった。

「もしかして剥けるっていうのは嘘なのかな?」

「ほ、本当です!」

全ての穴に入れると脅され、恐怖心から咄嗟に否定する。由紀の必死な様子がおかしかったのか、周りから微かな笑い声が漏れた。

「じゃあ、ちゃんと剥いてみせてよ」

そう言われても、ちゃんと剥いたつもりでいた由紀は、どうすればいいかわからずうろたえた。

「しょうがないなぁ」

捻りあげられていた左手がふっと解放され、投げやりに前に出された。後ろの男に身体を預ける形となり、不快な体温を背中に感じる。痛む腕を擦ることも許されず、無理矢理左手を股間に添えさせられた。いつの間にか、秘所に触れていた男たちの手が離れている。

「両手で開いてさ、親指で回りのお肉ごと引っ張りあげるようにしなよ」

不良たちの言うことをきくのは嫌だが、どうすることもできない。仕方なく、一度解放された秘所を再び自らの手で開く。冷やかすような口笛の音。スリットが開いたのが自分でもわかった。

両手の親指と人差し指が三角形を作る。親指を恥丘の少し下に添え、言われたとおり周りの肉ごと引っ張りあげる。残りの指で大陰唇を左右に開いた。

「もっと上の方を開きながら引っ張りあげるんだよ」

「は、はい」

由紀は、田原の言葉に従わざるを得ない。今や由紀のそこは、左右にくつろげられ、ついに最も敏感な小突起までもがその姿を現してしまっていた。と、スウとそこに田原の手が伸びる。

「ひぅッ!」

肩を寄せるようにすくめ、鎖骨の形が浮き上がる。予告無く敏感な突起に触れられ、足の指がマットを掴むように曲がり、踵が浮いた。

「なんだかわざとらしいなぁ。ホントに敏感なの?」

上体をよじる由紀の動きは、大袈裟に見えなくも無い。もちろん、本人にそんなつもりは全く無かった。普段包皮に覆われたままの突起は、刺激に不慣れで当然なのだ。しかし、どうであれ田原の行動は決まっていた。

「・・・ッ!?・・・・・・んんっ!」

無防備な突起を男の指が襲う。由紀は、恥ずかしさと性的な刺激に必死で耐えた。敏感な場所を刺激されて、反応したり声を出すのは恥ずかしい事という思いがある。自分は、はしたない女の子ではないと思っていたし、不良たちにそんな姿を見られるのは絶対に嫌だった。

小さかった突起は、反応して膨らんでくるにつれますます敏感になっていく。不必要と思えるほど鋭敏な感覚。それは健康な14歳少女の身体が示す正常な生体反応である。いくら自分の意志に反しているとはいえ、それを制御することは由紀にはできない。不良たちにはしたない姿を見せまいとする由紀は、自身の身体の敏感さを呪った。

そんな由紀を嘲笑うかのように田原の指が充血した肉豆を弄ぶ。いくら反応すまいとしても無反応を貫くことはできない。少女が必死に恥ずかしい刺激に耐える様は、彼女の思いとは裏腹に男たちの嗜虐心をくすぐった。

「敏感だなんてウソじゃないの?」

充血して膨らんだ肉豆を唾液に濡れた指で摘まれた。

「・・・ッ!」

由紀は、眉間に皺を寄せ、歯を食いしばって耐える。

「あれ?やっぱり敏感なのかな?」

大きく開かれた恥ずかしい割れ目。包皮を剥きあげられた肉豆。それらは、由紀自身の手によって開かれ剥きあげられている。だが、それは由紀自身の意思ではない。少しでも庇おうものなら、すぐさまコンパスの針が手指を襲うのだ。

抵抗だけでなく防御をも封じられ、由紀は、大事な場所を守るどころか自ら曝すことを強いられる。恐怖に怯え羞恥に戦慄く少女を弄びながら、田原は、捕らえた獲物───あるいは玩具───をどう料理するか、その最後の仕上げを考えていた。