ラブレター4
時刻は午後4時半を回ったところ。夏休み前のこの季節としては比較的過ごし易かった一日、旧校舎の片隅でその「検査」は行われていた。
「じゃあ次は・・・本学の生徒は登下校時及び学内では定められた制服を着用しなければならない」
「定められた制服ねぇ・・・もちろんちゃんと校則守ってるよね?」
田原は、見た目と正反対の猫なで声を出した。
「見た目は問題なさそうだけど、材質はどうかな?」
田原はそう言って由紀に近づくと、夏服の白い生地に手を伸ばしてきた。由紀は、ぞっとするような笑みを浮かべる金髪の男に戦慄した。恐怖、不安、嫌悪、色々な感覚が混ざり合い、鳥肌となって身体の表面に現れる。自然と由紀が後ずさりする。
「動くと検査できないだろ?・・・さっき何て言った?言うこときくって言ったよな」
田原は突然口調を変えて凄んだ。由紀はヒッと息を飲んで硬直してしまう。自分の恫喝に泣きそうな顔で怯えている美少女の様子に、田原は興奮を覚えた。目の前に居る美少女は、自身の恥ずかしい写真を盾に取られ、抵抗することができない。絶対的に優位な立場で獲物をいたぶる猫になったような気分で、田原は由紀の制服に手を伸ばした。
由紀の後ろにゆっくりと回りこみ、夏服の肩に手を置いた。由紀の身体がビクリと動いた後、小刻みに震えているのが伝わってくる。田原は、由紀の肩に手を置いたまま、髪の毛に口許を埋めるようにして、少女の香りを胸一杯に吸い込んだ。夏の日差しに照らされた日なたの匂いと甘い体臭が混ざった、何とも言えない香りがした。
「見た目は大丈夫そうなんだけどねぇ・・・」
田原は、ブツブツ呟きながら、由紀の背中を撫でまわす。そしてその手は脇腹を経てお腹に回る。田原は、由紀の身長に合わせるように少し膝を曲げると、硬くなり始めた股間をスカート越しに押し付けた。
由紀は、お尻に不快な硬さを感じて身をよじる。ちょうどお尻の割れ目に押し当てられたそれの位置を何とかずらそうとする。だが、動くことを禁じられ、後ろから手を回されて抱きすくめられている状態では、どうすることもできない。由紀は、身体をくねらせながら、後ろに居る相川に助けを求める視線を送った。だが、相川は、ついと視線を逸らすと、そ知らぬ顔でドアの横の壁にもたれかかった。クラスメートという関係を信じて唯一の可能性に賭けた由紀の思いは、アッサリと崩れ去った。
と、お腹を撫でまわしていた田原の両手がスルスルと動き、由紀の柔らかな胸の膨らみを捉えた。
「い、いやっ」
由紀は、激しく上体を動かして田原の手から逃れようとした。しかし、田原の手は由紀の膨らみを器用に捉え、撫でまわす。
「こ、これ制服の検査じゃ・・・!」
服の上からとはいえ、成長途中の乳房を撫でまわされて由紀は思わず悲鳴をあげた。だが、田原がそれを気にする様子は無い。乳房を嬲られお尻に男のモノを押し付けられても身体をよじることしかできない14歳の少女は、男たちを楽しませる格好の獲物でしかなかった。
田原は、左腕で由紀を抱いたまま、右手をお尻に回した。既に硬くなったモノを離すと、自らの股間の前に手を入れて、夏服のスカートに覆われた双丘にピタリと手を押し当てた。由紀は、懸命に腰を前に出して田原の手から逃れようとする。だが、田原の手は、由紀の丸く柔らかな尻に吸い付いているかのように離れない。由紀は、何とか田原の右手を掴んで言った。
「や、やめてください」
だが、そんな少女の儚い抵抗は、男たちの嗜虐心を煽る絶好のスパイスにしかならなかった。
「検査なんだから我慢しなきゃだめだよ」
両の腕に少女のか弱い抵抗を感じながら、プリーツスカートの折り目にぴったり重なった割れ目をなぞる。スカート越しにも、キュッとそこが締められたのがわかる。右から左、左から右と、少女のふっくらとしたお尻の丸みと、そのあわいにスッと切れ込んだ谷間の感触を味わう。そこを覆うものは、夏服の薄い生地とショーツだけである。田原の手には、十分にその形が確認できた。
「悪りぃ、おれだけじゃ本当にちゃんとした制服かわかんねぇ。おまえらも調べてくれ」
田原が言うや否や、ドドドと足音が鳴った。由紀が悲鳴をあげる間も無く、中村と長嶺は田原と共に由紀を3方向から囲むと、制服に覆われた少女の身体を撫でまわした。真っ白なブラウスに覆われた膨らみを撫で、襟元から指を挿し込む。ブラウスの裾を捲り、汗ばんだタンクトップを引っ張る。スカート越しにお尻の割れ目をなぞる。
「いやっ!相川君、助けてぇ」
助けてくれる望みがほとんど無いとわかっていても、クラスメートに助けを求めずには居られなかった。今この場で唯一由紀が頼れるもの。それは、クラスメートと言う関係で結ばれた相川だけだった。由紀は、両腕を胸の前で縮こまらせ、恥ずかしい場所に手が触れるたびに跳ねるように反応する。
「あ、相川君!」
だが、相川は由紀を助けようとはしなかった。不良たちの手が這い回るおぞましい感触と汗臭い男の匂いを感じながら、由紀は相川を見る。だが、相川は由紀を見ていなかった。薄々わかっていたとはいえ、由紀は失望を隠せない。
「たすけてぇ、相川くぅーん。ぎゃははは」
「おい、相川、かわいい由紀ちゃんが呼んでるぞ」
不良たちが口々にはやし立てた。
(そんな・・・相川君・・・)
由紀の息が弾んでいる。男たちの手から少しでも逃れようと懸命に身をよじり、もがいたこと。恥ずかしい部分を触られていること。どうしようもないほどの悔しさ恥ずかしさ。そして微かな望みであったクラスメートという絆を断ち切られた絶望。それらが呼吸の乱れとなって現れていた。
男たちの6本の手が由紀の身体を存分に舐め回した後、ようやく制服の検査が終わった。
「どうやらちゃんと付属第一中学の制服を着ているみたいだね。この検査は合格だ」
「おー、よかったじゃん由紀ちゃん。お兄さんは嬉しいよ」
「さすが優等生は違うなぁ」
わざとらしい言葉を次々に浴びせられ、由紀は惨めさを噛みしめなければならなかった。
(もういや!どうして、こんなことされなきゃいけないの・・・)
不良たちにはやし立てられる度に、由紀はどうしようもない悔しさを感じてしまう。大の男が写真を盾に女の子を弄ぶなど、到底許せなかった。だが、写真を盾に取られた女の子は自分であり、人気の無い旧校舎の片隅で不良に囲まれているこの状況では、どうすることもできなかった。
「それじゃあ次いきますよ~・・・おっ、これいい。女子は白の下着を着用することとし、ワンポイント及び刺繍においてもこれを認めない」
「おお~」
由紀は、下着という言葉を聞いて、ハッと顔を上げた。不良たちの顔にはいやらしい笑みが浮かび、とても検査を行っているようには見えない。校則を守っているかどうかなど建前でしかない。由紀は、不良たちが自分を辱めるつもりなのだとようやく理解した。
「由紀ちゃん、聞こえたよね?次は下着の検査だよ。もちろん、白の下着を着けてると思うけど、見てみないことには検査にならないのはわかるよね?」
(そんな・・・下着を見せろっていうの?)
由紀はどうすればよいかわからない。下着を見せるということは、制服を脱ぐなり捲るなりしなければならない。だが、自らそうすることなどできるはずもなかった。
「まずは・・・パンティから検査しようか。スカート捲って見せてごらん」
またあの猫撫で声だ。その声には優しさの欠片も感じられない。感じられるのは、気持ち悪さだけだった。不良たちが見守る中、由紀は自らスカートを捲ることも、要求を拒否することもできずに、その場で俯くしかなかった。