感覚検査4
「内診台での検査を行います。準備を」
玲子の声が部屋に響くと、結城と佐々木が内診台の傍に三脚を立て、3台のビデオカメラを固定した。それぞれ内診台の正面、右側、そして左側に置かれる。それとは別に、結城も手にビデオカメラを持っている。都合4台のビデオカメラが用意されているようだった。
(ああ・・・またあの台にのせられちゃう)
内診台という単語を聞いて由紀の表情が曇った。内診台にのせられて四肢を固定されてしまうと、全てをさらけ出した状態で抵抗する術を奪われてしまう。それは、前回の検査でいやというほど思い知らされていた。
「あ、あの・・・どうしてビデオに撮るんですか?」
着々と準備が整っていく中で、必死に考えて出た言葉だった。本当は内診台での検査をやめて欲しいと言いたかった。けれど、そう言っても玲子には通じないだろう。ならばせめて、ビデオと写真を撮ることだけはやめて欲しかった。だが、既に玲子に恐怖を感じ、閉鎖された空間の中で四面楚歌の状況に置かれた由紀は、撮影をやめて欲しいとは言えなかった。結局、ただ疑問を投げかけるだけの言葉になってしまったのだ。
玲子はちらりと由紀の顔を見ると、いかにも面倒臭そうに言った。
「今日の検査担当は事情があって私だけど、本来の担当は前回検査をした柴田よ。検査をしても、担当が見てなかったら意味がないでしょう」
由紀は何も言えなくなってしまう。写真とビデオを撮る理由───検査の内情を知らない由紀には、それが正当な内容なのか判別することは不可能な理由───に対抗できる言葉を見つけることは、由紀には出来なかった。
これが正当な検査で、玲子が代理で検査を行っているのであれば、当然検査は玲子のみで完結すべきである。少なくとも、前後左右から全裸をくまなく撮影するなどということは必要ないはずだった。由紀は中学生ではあるが、優等生という評判も示す通り頭が悪いわけではない。本来なら撮影するのはおかしいと抵抗することも出来たかもしれない。だが、この異常な状況下で普段と同じ精神状態を保てるわけもなかった。
須賀が由紀の腕を取り、内診台の傍まで連れていく。
「ここに足をのせて登って」
玲子に比べれば柔らかい口調ではあったが、前回と異なり、須賀の声には有無を言わさぬ圧力が感じられた。両手で胸と股間を隠していた由紀は、仕方なく両手両足を使って内診台に上ると、その座面に恐る恐るお尻をのせた。顔を上げずに再び手で胸を隠し、足をぴったりと閉じる。たとえ僅かな時間であっても、恥ずかしい部分を曝すことは避けたかった。
「ほら、この間もやったでしょう」
由紀の懸命の努力も空しく、須賀の手によって両手両足を拘束されてしまう。前回とは違い、今度は座面の横にあるバンドで両手を拘束された。例によって、足は前にある台に固定されてしまった。懸命に膝を寄せて恥ずかしい部分を隠そうとする由紀の努力をよそに、無機質な機械音が部屋に響いた。14歳の少女の脚力を嘲笑うかのように、由紀の足をのせた台はゆっくりと、しかし着実にその間隔を広げてゆく。
(いやっ・・・いやぁっ!)
下を向いたまま頬を真っ赤に染める由紀の気持ちなどお構いなしに、機械は与えられた命令を忠実に実行する。由紀の脚は限界近くまで広げられた。正面から見ただけでは、180度の開脚と言われても信じてしまいそうだ。真っ白な内股には筋が浮き、普段は柔らかな膨らみが合わさった由紀の外性器は、柔肉が引き伸ばされ恥丘の膨らみを際立たせている。
「そこまでしか開かないの?」
これでもかというほど大きな開脚を強いられている由紀に対して、玲子の声が飛ぶ。由紀は真っ赤になった顔を上げて、信じられないという表情で玲子を見た。「はい」という須賀の返事が聞こえた。
「腰の後ろにつっかえになるものを入れて、もう少し股間を前に出して」
由紀の表情が、驚愕の色を濃くした。脚の付け根に感じる痛みは、既に開脚の度合いが限界に近いことを示している。懸命にお尻の位置を調整して、何とか耐えている状態である。今腰の後ろに物を入れれば、開脚はさらに大きくなる。由紀は、これ以上の開脚は絶対に無理だと思った。
「あ、あのっ・・・痛くてこれ以上は開きません」
「大丈夫よ。腱の状態を見れば、あとどの程度開くかはわかるわ」
由紀の言葉を打ち消すように、玲子が言った。まるで、初めから由紀の言葉など聞く気が無いかのようである。由紀の股関節の柔軟性など、もちろん考慮されるはずもない。限界に近い開脚が必要な理由を一つも告げられることなく、痛みを強いられている由紀の背中に固めの枕が入れられた。須賀が枕を上から押さえ、結城と佐々木が横から手を入れて下に引っ張る。
「1、2、3!」
須賀の掛け声とともに、一気に枕が腰の後ろに押し込まれた。革張りの座面と由紀の柔らかなお尻が擦れて摩擦音が鳴る。限界近い開脚の痛みを和らげようと懸命に引いていた腰が、一気に前にずらされた。
「痛ぁぁーーー!」
由紀は歯を食いしばり、懸命に痛みに耐えるように後頭部を背もたれに打ちつけた。由紀の腰は、先ほどよりも10cm近く前にせり出した。限界を超えるほどの開脚で大陰唇は肉薄くなるまで引き延ばされ、その合わせ目はピンク色の綻びを見せる。お尻はもはや宙に浮いており、その奥にある可憐な窄まりが見えてしまっていた。
痛み、恥ずかしさ、そして屈辱。由紀は今すぐこの拘束を解いて家に帰して欲しいと叫びたかった。小さな子供のように泣き、叫ぶことができれば、どれほど楽だろう。だが、既に中学生になった由紀の周りには、教師、生徒、友達など色々な人が居り色々なしがらみがある。もし泣き叫び逃げ出したことが問題になり、周りの人たちにその事実を、そして検査のことを知られてしまったら・・・。
逃げ出すことの出来ない由紀は、赤の他人の前で限界を超えるほどの開脚を強いられ、恥ずかしい場所を全て曝け出さなければならない。そして、由紀以外の4人の人間はもとより、足をのせている台も、腰の後ろに入れられている枕も、決して由紀の悲痛な願いを聞き届けはしないのだ。
チャリチャリと金属がぶつかる音に由紀が目を開けた。医療器具が載せられたワゴンを従えて、玲子が由紀の大きく開かれた股間の真正面に陣取っている。由紀は、今から何をされるのだろうという恐怖の混じった瞳で、ワゴンに載せられた器具を弄る玲子の手を見つめた。玲子の右手は、紐のついた金属製の小さなクリップを掴んだ。その手が由紀の正面に移動する。クリップの口が大きく開かれ、玲子の視線が移動したのが見えた直後、痛みが襲った。
「アアアアーーーーッ!」
ギザギザが付いた1cm幅のクリップが、由紀の小陰唇をガッチリと挟み込んでいる。両脚を固定され、腰の後ろに枕を入れられた状態で、由紀は何とかして腰を引こうとする。バンドで固定された手が内診台を掴み、内股に浮いた筋がピクピクと痙攣した。だが、由紀に出来るのは、比較的自由な上体を大きく反らせ、表情を歪めて首を左右に振ることくらいだった。
玲子は、クリップの端についた紐を引っ張り、小陰唇を大きく外に引っ張り出すと、紐の端をテープで由紀の内股に固定した。剥がれないように何箇所もテープを貼ってゆく。
「少し痛いかもしれないけど、検査のためだから我慢するのよ・・・」
玲子の口調は、先ほどまでよりも柔らかい。だが、そこに優しさは感じられなかった。例えるなら、いじめっ子がいじめられっ子にかける声のような、そんな響きだった。
再び由紀の悲鳴が部屋に響いた。残されたもうひとつの小陰唇を挟まれたのだ。玲子の手によって、由紀の小さな小陰唇は大きく左右に開かれ、クリップで固定されてしまった。脚を大きく開いて固定され、さらにその中心にある薄襞をも左右に引っ張り出されて固定された由紀の様子は、さながら解剖される蛙のようだった。
由紀の外性器は、今や何を隠すこともなく全てが曝け出されている。ただひとつ、包皮に覆われた小さな突起だけが、性に対して未熟な由紀を象徴するかのように、いつもと変わらぬ姿で佇んでいた。