保健室での出来事1

「───後藤、どうした後藤」

担任の沼田に呼ばれて、由紀はハッとして顔を上げた。

「どうした、大丈夫か?」

「あ、はいっ。すみません」

「しっかりしろよ・・・。まあいい、波多野。次を読んで」

名前を呼ばれた生徒が、はいと返事をする。由紀はふぅ、とため息をついた。

病院での検査からもうすぐ1週間が過ぎようとしていた。あの日、由紀が気を失ってしまったため、検査は途中で打ち切りになった。病院のベッドで目を覚ました由紀は、須賀に言われてそのまま寮の自分の部屋に帰ったのだった。

検査直後に比べれば、由紀の気持ちはだいぶ上向いて来ていた。だが、恥ずかしかった記憶を忘れることはなかった。

今日は金曜日。明日は休みだ。6時間目の授業は本来なら体育だったが、雨が降っているので男女一緒に教室で沼田の授業を受けていた。授業といっても、もうすぐ始まる選択種目の希望調査と、それぞれの種目の説明をしている程度だ。大半の生徒たちは、沼田の話を聞いてはいたが、明日からの休みのことを考えているのか、心ここにあらずという感じだ。

隣のクラスから生徒達が席を立つ音が聞こえ、教室の戸がガラガラと開く音がした。隣のクラスでは、女子の体育を担当する教師が授業を行っている。晴れていれば隣のクラスと一緒に男女別で体育の授業を受けるのだが、今日は着替えるのも面倒だろうということで教師達が気を利かせて男女別ではなくクラス別になったのだった。

由紀は授業が始まる前に沼田に言われたことが気になっていた。

「放課後保健室に行くように」。沼田はそう言った。由紀の頭に土曜日の検査のことがよぎった。また何かあるのではないかと思うと、授業に集中などできるはずもない。沼田の声は由紀の耳にほとんど入っていなかった。

一緒に帰る友達を待っているのか、廊下からちらちらと教室の中を覗いている生徒がいる。沼田がちらりと視線を送ると、生徒は慌てたように引っ込んだ。

「以上だが、何か質問はあるか」

教室内が静まり返るが、誰も質問する者は居ない。

「来週月曜日に希望を集めるので、考えておくように。それと帰りのホームルームは行わない。何かあればしばらくは居るから個別に言いに来るように。それじゃ今日はここまで」

「起立!」

沼田が授業の終わりを告げると、学級委員長が号令を掛ける。生徒達が次々と立ち上がり、ガラガラと騒々しい音が鳴った。

「礼!」

号令と共に生徒達が礼をして、すぐに教室が騒がしくなった。授業が終わる前から帰る準備をしていた生徒が一目散に教室を後にする。他の生徒達も、各々友達と話をしたり、下校や部活の準備をしている。由紀は友達に挨拶をしてから、カバンを持って保健室に向かった。

保健室の前に着いた由紀は、しばらく廊下にそのまま立っていた。どうしても土曜日の検査のことを考えてしまい、ノックする勇気がなかなか出なかったのだ。だが、いつまでもそうしているわけにもいかないので、とにかくノックだけはしてみることにした。

コンコン。

恐る恐るノックをすると、中から「はい」という篭ったような返事が聞こえた。由紀は保健の先生が居ないかもしれないというかすかな希望を抱いていたが、その希望は脆くも崩れ去った。

「・・・失礼します」

そう言って由紀は中に入った。他の教室とは違う、保健室独特の匂いがした。正面の奥に、机に向かっている保健医の黒木の背中が見える。左側にはベッドがあったが、カーテンが閉められており誰か寝ているようだった。部屋の真中には、入り口から黒木の机までの道を遮る向きに、黒いビニール張りの診察台が置かれている。

「あ、後藤さんね?検査お疲れ様」

「は、はい」

黒木は先週と同じように明るい声で言った。それを聞いて由紀は、先生は何も知らないのだと思った。

「えーとね、あ、ごめんね、ここに座って」

黒木は話を始めようとしたがすぐに中断し、部屋の真中に置かれた診察台に座るように由紀に言った。由紀が座ると、診察台の傍まで椅子を移動させて話し始めた。

「先週検査を受けてもらったんだけど、由紀ちゃんの体調もあって途中でやめちゃったんですって?」

「あ・・・はい」

「由紀ちゃんの体調」という言葉に違和感を感じたが、何も言わずに返事をした。

「それで今週末にその続きをすることになったの。まず知らせておきたいことはそれが1つよ」

由紀は今週末に検査があると聞いて憂鬱になった。またあんな恥ずかしい検査をしなければならないのだろうか。知らない医者や看護婦の前で裸になって、身体の隅々まで検査される。先週の検査でも死ぬほど恥ずかしかったのに、その続きがあるなんてと思ってしまう。

「それと、今日から毎日体温を計ってもらうわね」

「え・・・体温ですか?」

「そう。体温」

「わかりました」

言いながら、体温計が部屋にあったかなと由紀は思ったが、無かったら寮母に聞こうと思い直した。だが、そんなことを思い悩む必要は無かった。

「あっと、体温なんだけど、毎日保健室に来て計ってもらうわね。というより、先生が計ります。一応、本人以外が計らないといけないことになってるから」

「あ、はい」

「それじゃ、さっそく今日の分を計るから、下を脱いで寝てくれる?」

黒木の言葉に由紀の身体が固まる。今日の分の体温を計ることまでは理解したが、なぜ下を脱がねばならないのかが理解できなかった。

「し、下を脱ぐ・・・んですか?」

「そう。パンティも全部。恥ずかしいけど我慢してね。先生も女だから大丈夫よ」

確かにそれはそうだったが由紀は中学2年生、思春期まっただ中である。同年代の間でさえ裸を見せるのは恥ずかしい。いくら黒木が女とはいえ、他人の目の前で下半身を曝すのは避けたかった。

「体温を計るだけなんじゃ・・・」

消え入りそうな声で由紀が言った。

「計る場所が普通とは違うの。4箇所で計るんだけど、脇の下じゃないわ。とにかく下を脱いで寝てちょうだい」

黒木は相変わらずの明るい口調で続ける。由紀はどうすることもできずに、おずおずとスカートを脱ぎ始めた。

(下を脱ぐなんて・・・どうやって計るつもりなの)

スカートを脱いでどこに置こうかキョロキョロしていると、黒木がプラスチックのカゴを持ってきた。由紀はそこにスカートをたたんで入れた。由紀は半袖の夏服に純白のパンティ、そして学校指定の白い靴下という格好になる。由紀がパンティを脱ぐことができずにもじもじしていると、とりあえず診察台に仰向けで寝るように言われた。

「手は横にして、気をつけみたいにしてね」

黒木に言われ、由紀は手を太腿にくっつけるようにした。入り口を左側に見ながら、カーテンが閉められたベッドに足を向ける形で仰向けのまま気をつけの姿勢になる。

黒木は卑猥ともいえる格好で診察台に寝ている由紀に視線を走らせた。夏服の胸元が少しふくらんでいる。年齢相応にというよりは、少し大きめのふくらみに見える。制服があるため臍は見えないが、純白のパンティは中学生らしくなくぴったりとフィットするタイプのもので、ぷっくりとした恥丘の形が浮かび上がっている。

(あら、割と成長してるじゃない)

由紀の身体のラインを眺めて黒木は思った。既に30歳を過ぎた黒木からしてみれば、中学2年生など子供としか思えないが、子供だと思っていた由紀の身体は意外にも成長していた。さらに、由紀の顔を見て黒木は少し興奮を覚えた。きめ細かな白い肌と整えられた艶のある髪、そしておさげ髪がよく似合うかわいらしい顔立ち。そんな美少女が恥ずかしそうに目を閉じているのを見ると、どうしてもいじめたくなってしまうのだ。

黒木は何も言わずにいきなり由紀のパンティを膝の上までずらした。由紀の身体がビクッと震え、伸ばしていた指がきゅっと太腿に押し付けられた。

(ふふ・・・かわいいわね)

恥毛が無いため、パンティをずらされると由紀のそこは全てが丸見えになってしまう。ぴったりと脚を閉じても、女の子であるが故に股間には少し空間ができてしまっていた。由紀の顔を見ると、頬が熟れたリンゴのように紅潮している。黒木はゆっくりとビニールの使い捨て手袋をはめると、救急箱から体温計を取り出し、アルコールで消毒した。デジタルの体温計ではなく、水銀柱の位置を目視で読む古いタイプのものだ。

「まずは膣温を計るわね」

そう言って黒木は由紀の右側の大陰唇と小陰唇をまとめてつまんで引っ張った。ぴったりと閉じていた陰裂が指の力によって開かれ、小陰唇がくの字に伸びた。由紀は「チツオン」という言葉を聞いてその意味を理解するべく頭の中で漢字に変換しようとしたが、変換が終わる前に黒木に陰裂を開かれてその意味を理解した。

(さすがは中学生・・・キレイなものね)

開いた陰裂の中は光沢があり、蛍光灯の光を反射してうっすらと光っている。色は綺麗なピンク色で、まだ一度も使われたことが無いであろうことは容易に想像できた。小陰唇は中に比べて少し暗い色をしており、どちらかといえば赤っぽい。大陰唇は色素の沈着もなく、内股やお腹と変わらない色をしている。子供の割に成長していると思っていたが、こういうところはまだまだ幼さを残していた。

「体温計を入れるわね・・・」

黒木はそう言って、由紀の膣口に体温計を差し込んだ。指に僅かな抵抗を感じたが、細い体温計はスルリと中に入った。由紀の柔らかそうなお腹が、少し脈打つように動いた。いくら女性の保健医とはいえ、普通に考えれば生徒の膣に体温計を差し込むなど許されるはずはない。だが、検査という名目がある以上、由紀にはどうすることもできない。両親が外国に居て、自分は学校の寮に入れてもらっている。そんな弱い立場に居る由紀は、学校の方針と言われれば、恥ずかしい検査も甘んじて受けるしかないのだ。

(やっぱりこの子を選んだのは正解ね・・・)

黒木はその本性を現したかのように、いやらしい笑みを浮かべた。