レントゲン1

「寮?なんだ実家じゃないのか。両親は?」

ここは大学病院の一室。1週間少し前に柴田と須賀が話をしていた部屋だ。柴田は1人ソファに座り、電話で話をしている。

「うん・・・うん・・・そういうことか。なるほど考えたね」

電話の相手は黒木玲子、由紀の学校の校医だ。黒木の話によれば、由紀は現在寮で一人暮らしをしており、両親は外国にいるのだそうだ。それを聞いて柴田は、これから先の由紀について考えると共に黒木の願望を推測した。

「ところで、君も彼女に何かするつもりなんじゃないのか?」

「あら、よくご存知ですわね」

柴田の問いかけに、電話の向こうで黒木が少しふざけた調子で答えた。

「君が僕と同じ趣味の持ち主だってことは知ってる。何か手伝うことはある?」

「さすが、話が早いですねぇ。それじゃあちょっとお願いしたいことが・・・」

柴田はお安い御用だと言って電話を切ると、部屋を出て行った。

診察室に戻ると、由紀と須賀が話をしていた。先程の由紀の状態から、一旦休憩を挟んでから検査を再開した方がいいと判断したのだ。須賀と話をしているうちに、由紀は落ち着きを取り戻したようだった。

(これなら大丈夫そうだな・・・須賀君も大したものだ)

普通とは別の「大丈夫」を思い浮かべつつ、柴田は口を開いた。

「後藤さん、もう落ち着きましたか?」

「あ、はい。大丈夫です」

「それは良かった。あとはレントゲンだけですから、頑張りましょうね」

そう言って柴田はにこやかな笑顔を見せる。由紀は「はい」と笑顔で返事をしたが、その笑顔はどこかぎこちなさを感じさせた。

「それじゃ、早速始めましょう。まずは造影剤を注入します」

由紀は再び全裸になり、診察台の上に乗った。多少慣れたのか、脱衣は比較的スムーズだった。柴田の言葉に従い、四つん這いでお尻を高く掲げた体勢にされる。さすがに少し恥ずかしかったのか、白かった顔が上気してきた。

「撮影のために造影剤を注入します。少し気持ち悪いかもしれませんよ」

柴田は手に持った巨大な注射器のような器具を由紀に見せた。細くなっている先端でさえ、ゆうに1cm程の太さだ。由紀は自分が取らされている体勢と器具の形状から、それが自らの肛門に挿入されることを直感した。物心ついてから、そこに「何かを入れた」という記憶は無かった。

由紀が少し怯えた表情でそんなことを考えていた刹那、いきなりブスリと注射器の先端が突き立てられた。

「んぅッ・・・!ううッ」

注射器の先端がズブズブと挿入されてゆく。それにつれて由紀の肛門周辺の肉が、挿入される異物に巻き込まれるように沈み込んでゆく。柴田は一旦奥まで押し込むと、造影剤を注入することなくゆっくりと注射器を抜きにかかる。窪んでいた由紀の肛門周辺が、今度は異物に引っ張られるように盛り上ってきた。そのままゆっくり引き抜くと、先端部分の内側が僅かにくもっていた。

注射器が奥まで入ってきてすぐに抜かれ始めたのでおかしいとは思っていたが、そのまま引き抜かれて由紀は思わず柴田の方を振り返りそうになった。だが、実際にはビクリとお尻を震わせただけで振り返りはしなかった。振り返らなかった由紀は気付かなかったが、柴田は注射器の先端の臭いを嗅いでいた。

肩をすくめる須賀の様子を気にすることなく、無言のまま柴田は再び挿入を開始する。

「うッ!」

由紀の口から押し殺したような声が漏れた。唇が僅かに震えている。柴田から由紀の表情は見えなかったが、時折ヒクヒクと動く外陰部から、由紀の身体が何とか異物の侵入を阻止しようとしていることはわかった。

柴田が注射器を奥まで挿入すると、由紀が溜めていた息をはぁっと吐いた。結局「力を抜いてください」という一言すら口にしないまま一気に先端を挿入した柴田は、そのまま造影剤の注入を始めた。

「う・・・あぁ・・・ううぅ」

普段ものが入ってくることはないそこに得体の知れない何かが満たされてゆく感覚に、由紀は歯をくいしばる。歯をくいしばっていないと、全身が総毛立つようなその感覚に耐えられそうもなかった。

造影剤を全て注入されて注射器が抜かれる。長時間の挿入によりポッカリと口を開けた小穴から、白い造影剤がトロリと垂れた。そこからモノが出る感覚に慌てたのか、小穴が拗ねたようにキュッと窄まった。

「ではレントゲンを撮影しますので、こちらへどうぞ」

そう言って柴田は廊下に通じるドアを開けた。由紀が「えっ」という表情で柴田を見詰める。

「あの・・・体操服を・・・」

「撮影の時はまた全裸になってもらいますから、そのまま行きましょう。今日は土曜日ですから一般の患者さんはいません。レントゲン室はすぐそこですから大丈夫ですよ」

須賀もさっさと廊下まで出て、「早く」とでも言わんばかりに由紀を見ている。しぶしぶ由紀は全裸のまま胸と股間を手で隠して廊下に出た。たとえ僅かな間だけだとしても服を着たかった。どうせ全裸になるからというのは、検査される側の気持ちを全く考えていないと由紀は思った。

由紀はレントゲン室に入ると、そこに見知らぬ男が居るのを見つけて反射的に須賀の後ろに隠れた。白のTシャツに白のジャージ。確かに白衣と言えるかもしれないが、医者の格好には見えなかった。

「レントゲン技師の萩原君ですよ。今から撮影を手伝ってもらいますから」

「後藤さんですね?よろしく」

由紀は須賀の陰から顔を覗かせると、よろしくお願いしますと小さな声で言った。レントゲン技師と聞いて、由紀は少し安心した。

「由紀ちゃん、さあ」

須賀に急かされるようにして由紀が撮影台に上がった。先程までの診察台より一回り大きく、セミダブルのベッドほどの大きさがあった。割と低い位置にレントゲン用の撮影装置があり、その装置から5mm程の太さの金属棒が下りている。金属棒の先端には玉のようなものが付いており、その直径は棒の倍以上はありそうだった。撮影台の上に座った由紀の目の高さより少し下まで伸びているその金属棒が一体何なのか、由紀にはわからなかった。

「まずはうつ伏せになってください」

萩原の言葉に従い由紀がうつ伏せになると、ぷりんとした丸いお尻が萩原の目に入った。由紀に気付かれないようにゴクリと唾を飲むと、萩原は足首を持って由紀の脚を開かせた。真後ろから3人の視線を感じて、由紀の顔が真っ赤になった。

「はい撮りますよ・・・じっとして・・・はいOKです」

「はい、じゃあ今度はお尻を高く上げて」

由紀は造影剤を注入した時の体勢を思い出し、四つん這いになった。

「もっと頭を下げて。顎を台の縁につけて」

萩原は由紀の頭をぐいっと押さえ、お腹に手を当てて押し上げた。と、お尻に何か硬いものが当たった。避けるように由紀がお尻を下げる。

「今棒が当たったんですが、わかりました?」

「は、はい」

さっきの金属棒だ、と由紀は思った。

「じゃあ、そこに丁度お尻の穴を押し当てるようにしてください」

萩原の言葉を聞いて、由紀は一瞬耳を疑った。