面接3
「そのまま立位体前屈をしてください」
ブラウスの下に潜り込んでいた手を抜いた途端、役員は言った。折った腰を元に戻そうとした真理は、パンティを上げることもボタンを留めることもできず、後ろの役員にアヌスを見せつけたまま立位体前屈をすることになった。
バランスを取るために開いていた脚を閉じ、真下に手を伸ばして腰を曲げる。手を放したことでお尻を覆いそうに思われたタイトスカートは、後ろに居る役員の手でずり落ちないように支えられていた。ホックを外されて比較的自由になった乳房が、重力に倣ってボタンの外れた襟口から飛び出そうな気がした。
上体が前に折れるに従って、役員の眼前に外陰部と肛門がせり上がってくる。改めて確認すると、真理の恥毛は恥丘の周辺のみに生えており、大陰唇や会陰、肛門周辺には生えていないようだった。
役員たちは、内定を貰うために必死で耐える短大生に舐めるような視線を這わせた。乱れた黒いリクルートスーツと白のブラウス、捲くり上げられたタイトスカート、ずり下げられた純白のパンティ・・・。それらと不釣合いな程に整ったストッキングとパンプスが卑猥だった。
「身体が柔らかいというのも本当のようですね・・・念のため脚を180度に開くというのをやってみてください」
「は・・・はい」
そのままの格好で脚を開こうとした真理に、役員が言った。
「ああ、スカートは脱いでいただいて結構です。そのままだと破れてしまいますよ」
「は、はい」
ここまで捲り上げられていれば、破れることはないと真理は思った。だが、口には出さない。真理はちらりと後ろの役員を見て、少しためらってからパンティを直した。パンプスを脱いで横に揃えて置く。裾を下ろしてからサイドのジッパーを下ろすと、タイトスカートが床に落ちた。
真理は胸元の乱れたスーツとブラウス、下半身はパンティとストッキングのみという格好で開脚を始めた。とはいえ、パンティの大部分は上着の裾で隠されていた。程なくして脚は180度に開ききる。幼少からクラシックバレエを嗜む真理にとって、それは造作も無いことだった。
「・・・これでよろしいでしょうか」
乱れていた胸元を直すと、何も言わない役員たちに向かって真理が言った。その声色には、僅かに敵意のような物が感じられる。今まで自分を弄んだ役員たちに対する、真理にできるせめてもの反抗だった。
「・・・いいでしょう」
OKを出した役員の表情が一瞬変わったことに真理は気付かなかった。
「終わりですかね」
役員同士で確認するような口ぶりだった。役員は1つ頷いてから真理に言った。
「お疲れ様でした。スーツを着ていただいて結構ですよ」
役員の言葉にほっと一息つくと、真理はタイトスカートを身に付けた。襟元に乱れが無いか改めてチェックし、傍に揃えていたパンプスを履く。外されたブラのホック以外の全てが元に戻った事を確認して、入り口に向かって歩き出そうとしたその時だった。
「あっと、忘れるところでした。最後に身体に傷痕や目立つシミが無いか確認します」
そう言うと、役員たちは立ち上がって真理の傍に来た。
「重要なところだけ確認します」
言うが早いか、身に着けたばかりのタイトスカートが捲り上げられた。真理はようやく解放されたと思った羞恥の面接が再開されたことに動揺を隠せない。言われるがままにスカートの裾を握らされ、左右のストッキングが一気に足首までずり下ろされる。そうしておいてから、役員は真理の生足をじっくりと調べ始めた。
もう1人の役員が、スーツとブラウスのボタンを全て外す。焦っているのか女物のボタンの外し方に慣れていないのか、その手つきは酷く不器用に見えた。全てのボタンを外された上着は肩口から左右に大きく開かれ、ホックが外れたままの純白のブラジャーを露にした。
役員の指が真理の首筋を撫で、華奢な肩、そして細い鎖骨へと移動してゆく。指はそのままスルスルと降りてゆき、汗でしっとりと湿った胸の谷間をなぞった。
もう1人の役員は、パンプスを履いたままの脚に取り付いた。ほっそりとしたふくらはぎを撫でまわし、膝の裏、柔らかな太腿とその歩みを進めてゆく。役員たちの指の動きはけして乱暴ではなく、むしろしつこいほどに丁寧だった。
役員の手がカップごと乳房を持ち上げる。指で乳房の付け根をなぞると、そのままベルトの縁に指を差し込んで肋骨をなぞるように動かした。そして遂にその手がカップを乳房の上に押しやり、直接ふくらみに触れてきた。
もう1人の役員はパンティを思い切り食い込ませて、露になった真っ白な尻たぶを撫でまわした。それが済むと、紐状に食い込んだパンティに指を掛けてクイッと引っ張り、そのまま徐々に指を下に移動させる。お尻の割れ目が一部露出し、露出部分が徐々に下に移動してゆく。
そうまでされても、真理は一切抵抗しなかった。見知らぬ2人の男に下着や身体を弄ばれて何とも思わないわけはない。時折何かに耐えるようにスカートを握り締める手と、頬を真っ赤に紅潮させて唇を結び、俯きがちにきつく眉をひそめる表情が、真理の口惜しさを物語っていた。あるいはそれは、絶対に受からなければという決意の表れだったのかもしれない。
乳房を上下左右に引っ張られ、伸び切った肌に指が這う。円を描くように乳輪を撫でられ、その中心にある突起を突付かれ弾かれる。パンティのクロッチ部分を引っ張られ、隙間から肛門や性器を覗かれる。パンティの縁に沿ってVラインを撫でられ、内股や脚の付け根を指が這い回る。そうかと思うとタイトスカートのジッパーを緩められ、お腹を撫でまわされ、可愛らしいお臍の窪みをくすぐられた。
役員たちは真理をけして全裸にしようとはしなかった。乱れたリクルートスーツ、捲り上げられたタイトスカート、ホックを外されたブラ、食い込まされたパンティ、それらを丁寧にずらし、捲り、引っ張りながら真理の身体を執拗に撫でまわし、その隅々までねぶり回すように観察した。
真理は立ったまま調べられたかと思うと、机の上に仰向けに寝かされた。それが終わるとうつ伏せ、その次は四つん這い。さらにはクラシックバレエにかこつけて、胸やお尻を突き出したり股間を大きく開くポーズを取らされ、伸び切った肌や突き出されたふくらみ、開き切った割れ目をじっくりと調べられた。
一体どれほどの時間が経ったのかわからない。面接の終わりを告げられた真理は、放心したように床に座り込んだ。
(お・・・終わった・・・・)
そう思った途端、目から涙が溢れそうになった。真理は急いで衣服の乱れを直すと、挨拶もせずに面接室を飛び出した。待合室に置いていたバッグを掴むと、逃げるようにエレベータに乗る。頭で考えてというより、身体が勝手に動いていた。そうして辿り着いた駅のトイレで、真理は声を殺して泣いた。
後日、真理の元に内定の通知が届いた。開発での採用だった。幾分落ち着きを取り戻した真理は、その内定を受けることにした。真理は、残り僅かとなったが、友達と共に過ごす最後の学生生活を精一杯楽しもうと決めた。
だが、役員直属の何でも屋と揶揄される開発9課が配属先であることを、真理はまだ知らない。
終