2人の男

「今度の金曜?何とかなるとは思うが・・・」

年の頃は40歳前後だろうか。眼鏡を掛けた小太りの男が不思議そうな声で言った。白衣を着た2人の男が応接室のような部屋で話をしている。白衣の胸に見える名札から、2人の名前が柴田と萩原ということがわかる。

「その日は付属高校で社会科見学があるらしいんですが、校医からの連絡によると、ちょっと面白い事になりそうなんですよ」

30代と思われる別の男が答えた。

「須賀君が何か言っているのか?」

「ええ、この生徒なんですが・・・」

萩原という男は手に持った書類ケースから紙を取り出し柴田に見せた。田中真奈美という名前が記載されたその紙には、かわいらしい顔立ちのボブカットの少女の写真が付いている。身長や体重などのデータも記載されているようだった。柴田はその少女に興味を示したらしく、萩原から紙を受け取って覗き込む。2人はボソボソと何かを話していたが、話し声は小さくなり、聞き取ることはできなかった。